DELL XPS14 レビュー

XPS14

今回はDELLの最新PCである、DELL XPS14をレビューしていきたいと思います。
一般的なレビューもしますが、PCで電気回路や電磁界分布の計算をすることがあるため、特殊な用途についても手持ちPCと比較して触れていきたいと思います。

経緯

今回はPCを購入した訳ではなく、「DELLアンバサダー」という、DELL製品の良さを魅力を発信するプログラムで、PCのモニターキャンペーンに当選し、最新製品を1か月間無料で体験させていただくこととなりました!

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XPS14(2026)

今回お借りしたノートPCはこちら。
XPS14

Core Ultra X7を搭載した高性能なラップトップPCです。ハード性能、ソフト性能について忖度なしでレビューをしていきます。

筐体

筐体に高級感があります。会社でDellのPCを使ったことがありますが、それはプラスチックフレームで少し安っぽいなという印象があったのですが、XPS14は削り出しのアルミでできているようです。肌触りでいうと、手持ちのMacbook Air(M1)よりもいいかもしれないです。

勝手な思い込みでデザインといえばApple一強だと思ってたのですが、DELLもぜんぜん負けてないですね。「XPS」の文字もプリントではなく窪みで造形されているためより高級感が際立ちます。

ディスプレイ

続いてディスプレイです。有機ELを使用していて、とても画質がいいです。
MacBook Airの画質と比較するとより鮮明に見えますね。
ディスプレイサイズも14インチで持ち運びに便利なサイズ感になっています。
ディスプレイの周波数も120Hzまで対応しているため、ゲーム用途であってもある程度は使えそうですね。

左:MacBook Air 右:XPS14

キーボード

忖度なしのレビューでいくと、少しだけ打鍵感が重たい印象でした。ただ、押し込みの深さなどは問題なく、好みの問題だと思います。
トラックパッドは面積が広くて非常に使いやすかったです。

Copilot PCの使い心地

XPS14にはキーボードにCopilotを即時に起動できるキーが存在します。使用する前は必要ないんじゃないかと思ったのですが、しばらく使ってみると「意外にいいかも」と思うようになりました。

重宝されるタイミングは、コーディング中や調べ物をしているときにボタンひとつでディスプレイが切り替えられるため画面上にCopilotのウィンドウを開き続ける必要がなくなります。

また、不要な時はボタンを再度押すことでウィンドウを最小化して元々表示していたウィンドウに戻ってくれるため非常に便利です。

また、「リコール」という機能も使い勝手が良かったです。おそらくベータ版かと思うのですが、PCのディスプレイ画面が常時録画されていて、以前やっていたことを思い出せるような機能になってます。常時バックアップが取られているような感覚ですね。

Copilotのボタンについては、世間一般的なレビューを見ると賛否両論ありますが、個人的にはアリでした!

手持ちのPCとスペック比較

私の手持ちの機器を紹介すると、2021年に購入したMacbook Air(M1モデル)を使用しています。手持ち機器と今回お借りしたXPS14の性能を簡単に表にまとめました。

MacBook Air (手持ち)XPS14
CPUApple M1Core Ultra X7 358H
メモリ8GB32GB(DDR5)
SSD256GB512GB
重量1.29kg1.36kg


CPU性能は後でかくにんするとして、メモリやSSD容量はXPS14の方がスペックが高いですね。かなりスペックの高いPCをお借りできてありがたい限りです。

CPU性能ベンチ結果

まずはCPUの性能をベンチ評価していきます。性能に関しては、Maxon Cinebenchを使用しました。手持ちの2台で性能差を検証していきます。

レンタルPCのため、BIOS設定等は一切触らず確認しましたが、SingleはM1よりも20%程度性能が良く、Multiでは50%性能が良かったです。multi性能に関しては、web上のベンチ結果だと8000pts超えのデータもありましたのでmulti性能では手持ちのmacbookをはるかに凌駕する性能になります。さすが最新機種。

SingleMulti
Macbook Air(M1)419pts1722pts
XPS14471pts2585pts

実性能比較

私はMatlabやPythonで電磁気/電気回路関連の計算をすることが多いため、今回はMatlabで少し負荷のかかる計算をそれぞれのPCで実行し、計算時間を比較しました。

アンテナの電磁界解析(簡単な計算ですが)をプログラムで実行します。
実施した内容は下記のとおりです。

①3D放射パターンプロット
②周波数ごとのアンテナインピーダンス計算
③周波数ごとの反射特性(S11)計算
④簡易的なFEM解析

それぞれやったことの説明は後述しますが、結果はこちら。
横軸の項目は左から①〜④となっており、それぞれの計算に要した時間をプロットしています。

全ての計算においてXPS14が優っています。①と④はシングルコアでの計算を実施しており、②と③はマルチコアでの計算を実施しております。シングルコアはMacBook Airもかなり健闘していますが、マルチコアで計算した時の差が一目瞭然ですね!

今まで重たい計算もMacBook Airで実施してましたが、マルチコアタスクがこれ程差が出るとは正直思っていなかったです。(買い換えようかな・・・)


以降は①〜④について何をやっているのかざっくりと説明しようと思います。

①放射パターン計算

まずは今回計算するアンテナについてです。
今回はMatlabのAntenna ToolBoxでマイクロストリップアンテナをBLEの周波数である2.4GHzで作成しました。実際は搭載要件からモノポールやチップアンテナが使われることがほとんどですが、目的がPC性能比較なので形状は適当に決めちゃいました。

底面の赤色部分に給電点を設けており、上部のパッチ部分(真ん中)に電力を供給しています。
(上部の周りと底面は全てGND)

指向性はメッシュ化したアンテナおよびアンテナ周辺物の電流分布をもとに計算します。
例えば2000個メッシュを切ったとすると、2000個のRWG基底関数を用意して、2000個の未知数を初期条件をもとに解いていきます。ここでいう初期条件は給電店に入力する電圧になります。メッシュ化したアンテナパターンはこちら↓
給電点やアンテナパターンの縁はメッシュが細かく切られているのがわかるかと思います。
これらの部分の電流/電圧分布を細かく計算しないと解析結果が大きく変わってしまうため細かめにメッシュが切られてます。

指向性を計算した結果はこちら。後ろ側はグランドになっているため、指向性は正面方向に強く出ているのがわかりますね。

①のテストでは指向性の計算を周波数ごとにメッシュ生成から計算しており、20パターンの周波数について計算した際にかかった時間を出力しています。

②周波数ごとのアンテナインピーダンス計算

次はアンテナインピーダンスの計算です。MatlabのAntenna toolboxの関数

Z = impedance(ant,freq);

を用いることで、アンテナインピーダンスを算出可能です。この関数の処理をざっくり説明します。

アンテナインピーダンスは

$$
Z_{in}R+jX$$

で表されます。

  • R:放射抵抗・損失抵抗
  • X:リアクタンス

です。

このR,Xは

  • 給電点電圧
  • 給電点電流

の2点が分かれば算出可能です。計算ステップは


アンテナ形状決定→メッシュ分割→表面電流分布計算→給電点電流計算→インピーダンス算出(Z=V/I)

のようになります。

高周波アンテナは分布定数回路であるため、アンテナの場所によって電圧/電流が異なります。
給電点にどれくらいの電流が流れるかについては、「アンテナ全体の電流分布を求める」必要があります。

各メッシュ上の電流を未知数として、Maxwell方程式から導かれる連立方程式

$$
[Z][I]=[V]
$$

を解きます。

ここで、各変数は

  • [Z]:相互作用行列
  • [I]:電流
  • [V]:励振電圧

を意味してます。これを電流について解くことで、N個の各メッシュにおける電流

$$
I_1,I_2,\cdots,I_N
$$

が求まります。


では給電点付近の電流はどうやって求めるかというと、キルヒホッフの第一法則に則って、
解析結果から給電点付近の電流を積分することで

$$
I_{port}
$$

が求まります。

MATLAB内部ではこの処理が自動で行われています。
アンテナインピーダンスの絶対値について、プロットしたグラフは下図のようになります。


アンテナインピーダンス

③周波数ごとの反射特性(S11)計算

こちらは②の計算にもう一手間加えるだけで計算ができます。アンテナ(入力インピーダンス)を②の手法で計算したのち、反射係数($$\Gamma$$)を下記式で求めます。

$$
\Gamma=\frac{Z_{in}-Z_0}{Z_{in}+Z_0}$$

通常はdB表記で次のような表記になります。

$$
S_{11}[dB]=20\log_{10}|\Gamma|$$

今回のアンテナについて、③の計算結果出力イメージはこちらになります。

S11[dB]

④簡易的なFEM解析

最後にFEM解析についてです。こちらについては、簡単のため並行平板コンデンサのような金属パターンにて3Dの計算をしています。

解析の流れは以下の通りです。

  1. 解析空間を四面体メッシュに分割
  2. FEM行列(剛性行列・質量行列)を作成
  3. ポート励振条件を設定
  4. 波動方程式を解いて電界分布を計算
  5. 電界分布から入力インピーダンスおよびS11を推定
  6. 遠方界を計算して放射パターンを推定

実施した内容としては、解析空間を約1000ノードの3次元四面体メッシュに分割し、各ノードの電界を未知数として連立方程式を構築しまして、電解分布を計算しました。

電界解析にはヘルムホルツ方程式を利用し、

$$\nabla^2 E + k^2 E = 0$$

を有限要素法で離散化して解いてます。

また、解析空間の境界線(解析領域外周)にはPML(Perfectly Matched Layer)を模擬した損失領域を設け、境界で発生する反射を無くしてます。

求めた電界分布から給電点電圧・電流を推定し、入力インピーダンスを下記のように算出してます。

$$Z_{in} = \frac{V_{port}}{I_{port}}$$

さらに、入力インピーダンスから反射係数を計算し、S11を求めてます。

$$S_{11}
=
\frac{Z_{in}-Z_0}
{Z_{in}+Z_0}$$

これにより各メッシュ要素を微小放射源とみなし、遠方界を重ね合わせることで放射パターンを推定できます。

かなりシンプルな計算をしているため微小第ポールの理論値とは大きく異なった結果になってしまいますが、おおよその傾向は掴めるかと思います。(参考くらい)

matlabでアンテナのFEM解析は少しハードルが高かったです。。。(ChatGPTに相談したら簡単に解決するかもですが、時間がなかったため割愛)

まとめ

今回はDELLのXPS14をお借りする機会をいただきましたので、手持ち機器と比較しレビュー記事を書きました。1か月近く使わせていただいたのですが、とてもスペックが高く、私の使用用途であれば快適に動作しておりました。また、筐体のデザインもシンプルかつ高級感があり、Apple製品に引けを取らない製品でした。お値段はそこそこ高いですが、満足すること間違いなしのPCだと思いますので、興味ある方はぜひ一度試していただけたらと思います!

shota_py

メーカー勤務のエンジニアです。 自分の趣味である、「電気回路」、「ガジェット」「株式投資」、「Python」に関する記事をつらつらと書いています

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