住宅ローンについて

今回は住宅ローンについて説明していきます。戸建、マンションを購入する際にキャッシュで買う方はよっぽどいないと思います。そこで皆さんが使うのが住宅ローンです。住宅ローンは一般的に借入額が大きいため、カードローンや自動車ローンに比べて金利が低いのが特徴です。住宅ローンには、金利の決め方や団信の加入可否、特約の付与など、様々な選択肢があるので今回は金利について紹介していきます。

住宅ローンの金利

住宅ローンには大きく分けて二つの選択肢があります。一つは指定した期間で金利が一定となる固定金利です。もう一つは都度金利が見直しされて数年ごとに金利が変わる変動金利です。

固定金利

全期間固定型

固定金利には2パターンの選択肢があります。一つは全期間固定金利です。全期間固定金利とは、借入時〜完済時まで固定された金利となります。

  • メリット
    返済が完済まで明確であるため、ライフプランを作成しやすい
    景気に左右されない
  • デメリット
    金利が他の選択肢と比べて高い
    金利変更できない

金利が高い分、安心感が得られるということで、今後の社会情勢を考えると一定数の需要はありそうです。

全期間固定金利はどのように決定するのでしょうか。実は、10年物国債利回りにより決定します。(財務省のリンク
国債価格に影響を与える主な要因としては、各国中央銀行の金融政策や各国内における資金需要の変動が挙げられます。例えば日本銀行が金融緩和策として利下げを行ったり、日本国内の企業や個人の資金需要が低下すると、それらに呼応して日本の市中金利も低下します。現在は米国が過度なインフレを抑えるために金利上昇政策を実施しており、その波が日本に押し寄せていることから、国債利回りが上昇している傾向にあります。
今後の見通しですが、米国の金利上昇が一旦収まるという予想がされているため、国債利回りも高止まりしていくのではないかと考えられます。

変動金利

期間固定金利型

もう一つは、借入時から一定の期間金利が固定される、期間固定金利です。固定という名前がつきますが、更新の際に金利が変わるため、変動金利に分類されます。期間は最短で2年、最長で20年まで選択できます。(地銀等でもしかしたらこれ以上の期間があるかもしれないです。)

  • メリット
    期間終了後に固定・変動の選択が可能
    全期間固定金利より金利が安い
  • デメリット
    金利上昇後に期間終了した際、次に選択する金利が借り入れ当初より高くなる可能性あり
    全期間固定金利・変動金利の中間的な役割で、旨味が少ない

調べていても当初固定金利を選択する人は少なく、個人的には、全期間固定金利と変動金利のミックスローンで借りる選択肢の方がリスクヘッジになるかと思います。

さて、一定期間固定金利はどのように決まるのでしょうか。実は、全期間固定金利とは異なり、円金利スワップレートで決定します。スワップレートは分かりにくいのですが、こちらのサイトが参考になりますので興味があればご覧ください(参考サイト

変動金利型

最後に紹介するのが変動金利です。変動金利は現在住宅ローン組む人の内、約7割の人たちが選択する金利タイプになります。

  • メリット
    現状最安の金利
    借り入れ後金利が下がると支払額が下がる
  • デメリット
    景気が良くなり、金利が急上昇した際に支払額が増える
    変動幅が大きく、ライフプランの作成が難しい

変動金利型の金利決定方法は、短期プライムレートにより決定されます。短期プライムレートとは、銀行が最優良の企業(業績が良い、財務状況が良いなど)に貸し出す際の最優遇貸出金利(プライムレート)のうち、1年以内の短期貸出の金利のことです。

固定金利型は10年先を見据えた指標に影響されるのに対して、変動金利型は1年以内の短期貸出のため、景気の実態が影響を与えます。
単純に考えれば、固定金利が上昇した場合、10年以内に変動金利は上昇する見込みがあるということです。

今後の金利の動向は?

みなさん気になるのは今後の金利が上がるかどうかだと思います。
未来の金利については誰もわからない中で、私の意見を言わせてもらうと、固定金利は徐々に上昇していくが、変動金利については今後10年近くは上昇しないのではないかと予想します。

金利について説明があった通り、固定金利と変動金利では参照している指標が全く異なります。
ざっくりした言い方をすると、固定金利は、予想される近未来に対して金利が設定されるのに対して、変動金利は、現時点での最優良企業へ向けた貸出金利に連動しています。現時点から10年後に景気が良くなるか考えた時に良くなるとは考えにくいので、変動金利については今後も横ばいが続くのではないでしょうか。ただし、変動金利一本で行くと、将来的に金利上昇のリスクは回避できないため、ミックス金利によるリスク分散するべきでしょう。

まとめ

今回は住宅ローンについて、金利の面から説明をしていきました。意外にも金利のシステムを知らないまま大きなローンを組む方は多いので、自分がどれくらい利息を払うことになるのか、FPの方に相談してみることをお勧めします。その際に、「固定金利のみ」、「固定金利+変動金利」、「変動金利のみ」の3パターンでシミュレーションをしてもらって、自分にとって最適な借り入れ方法を選択してください!


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shota_py
メーカー勤務のエンジニアです。 自分の趣味である、「電気回路」、「ガジェット」「株式投資」、「Python」に関する記事をつらつらと書いています