逆三尊 について

今回は株式投資をする上で使用するテクニカル分析の中でも、特に重要な. 逆三尊 について説明していきます。

みなさんはトレンドに従う「順張り」と、トレンドに逆らう「逆張り」のどちらを好んで投資しているでしょうか?個人的には、人間の心理としてお得になったら買いたいと思う気持ちの方が強いと思うので、「逆張り」に軍配が上がるのではないかと思います。

逆張り、つまり「トレンド転換」を見極めるためにはテクニカル分析が欠かせません。

今回はトレンド転換における最も重要なテクニカル指標となる「逆三尊」について触れていきます。

逆三尊とは

逆三尊とは逆ヘッドアンドショルダーとも呼ばれており、3つの特徴的な安値を持ち合わす形状となります。真ん中の安値を人間の頭と見立てて、その左右にある安値を肩と見立てているためこのように名付けられています。例として、チャート形状を下図に示します。

全体のトレンドが下落トレンドの際に機能する指標となります。下落トレンドが継続するためには、直近の安値・高値が切り下がっていく必要がありますが、反転パターンはこれを否定する形となります。

左側では下落トレンドラインが引け、この頃にはトレンドに沿って動くことを想定しています。
しかし、Dでの価格が抵抗線となるAの価格を下回り、更にはE点での価格がCの価格よりも低区なることでトレンド転換を示唆し始めます。そしてネックラインと呼ばれる一種の支持線(抵抗線)を下抜いた際に逆三尊が完成されます。

ここでネックラインとは、BとDを結ぶことにより確認できる線となります。

また、出来高に関しても特徴があります。基本は株価・出来高ともに運動の第一法則が成り立つとされています。理系の方にはお分かりいただけるかと思いますが、簡単に説明すると、「動くものは動き続けようと、止まるものは止まり続けようとする」法則です。

株価も下落基調であれば、エネルギー(出来高)が少なくても下落方向に推移していきます。しかし、下落→上昇に変化するためには、エネルギー(出来高)が多くなくてはなりません。そのため、トレンド転換のためには、トップor右肩あたりで出来高が増えてくる必要があります

目標値の算出方法

それでは逆三尊が形成され、ネックラインを突破した際に、その突破がどこまで続くかが気になってくるかと思います。いくつか考え方がありますが、代表的な例として、ヘッド〜ネックラインの値幅をネックラインから引くことが挙げられます

この目標値はあくまでも最小の目標値となるため、それ以上大きな値動きになることも想定されます。しかし、目標値以外に中長期トレンドの明確な抵抗線がある場合は注意が必要です。目標値は数字で決められた値であるのに対して、抵抗線は投資家心理を含めた値であるので、抵抗線の方が有利に働きます。目標値よりも上に抵抗線があるならそちらを目標値としましょう。

参加するタイミングは?

初心者が参加するタイミングとしては、ネックラインを明確にブレイクした位置になるかと思います。明確に超えるとは、ネックラインを終値ベースで2日間連続で超えることなどを指します。(ここのルールは自分で設定する必要あり)超えたのを確認してから入る分ボラティリティは低いですが、堅実な運用ができます。

中級〜上級者の方はE~ネックライン間の位置で入ることになるでしょう。成功した際には大きな益だしが可能ですが、ダマシを食らうリスクがあるため注意が必要です。出来高などを念入りに見て判断していく必要があります。

実践例

では最後に逆三尊を実際のチャートに適用してみます。逆三尊の取り方はあくまで個人的なものなので参考程度に留めてください笑。

【2811】カゴメ

コナンくんの音痴CMで個人的に話題のカゴメです。日足チャート及び出来高を数に示します。

長期で日足を見るとなだらかな下落トレンドでした。しかし、逆三尊の指標が確認されると下げ止まり、上昇基調に変化していることがわかります。また、逆三尊の特徴である。右側ショルダー部での出来高増が顕著に現れているため、強い傾向であることも確認できます。

現在は赤線のネックラインを超えている状態であり、目先の目標株価は3140円です。小幅狙いであればエントリーしてもいいタイミングかと言えます。

【4051】GMOファイナンス

続いてはGMOファイナンスになります。こちらはねっくらいんのネックラインのブレイクは確認できましたが、まだネックライン付近の押しが確認できないため、もう少し価格が下落してからエントリーがいいとわかります。ただ、ネックラインよりも上に支持線(20500~21000)があるため、そこで反発があるかだけ注意しなければなりません。

また、カゴメと同様に、右肩部から出来高が増えているため、逆三尊の判断材料となります。

まとめ

今回は逆張りの際に使う「逆三尊」について説明しました。
図を用いて逆三尊の特徴を説明し、実際に特定の銘柄に対して逆三尊を適用した目標値設定を行いました。

順張りのテクニカル指標についても、特記する事項があれば記事にしていきたいと思います。