エリオット波動入門-①

エリオット波動入門①

今回はエリオット波動について書いていきます。ダウ理論の方が知名度が高い気がしますが、エリオット波形の方がFXなどでは重要視されている傾向です。何回かに分ける予定ですので、今回は諸学者でもすんなり理解できるような導入部といったところです。

エリオット波動とは

エリオット波動とは、20世紀にラルフ・ネルソン・エリオットが考案した「人間のあらゆる活動分野で認められる波動原理」です。特に金融市場においてよく機能することから株式投資でテクニカル分析と併用されることが多いです。

導入の立ち位置であるので、今回は最も基本的な考え方を説明していきます。

5つの波のパターン

株式相場の動きは、特徴的な5つの波から構成されます。イメージとしてはギザギザの動きをして、上昇もしくは下落していく形となります。下図のように各波、各頂点に番号を振って説明をしていきます。

基本的な波のパターン

第1波、第3波、第5波はある方向への動きを示しています。また、そのトレンドとは逆方向の2つの逆行した動きがあります(第2波、第4波)。この2つの逆行は明らかに大きな方向を持つ相場の流れが継続するための必要条件となります。
また、エリオットはこの基本的な波のパターンにおいて、以下の一貫した3つの特徴を挙げています。

  • 第2波は第1波の始点を下抜くことはない
  • 第3波が最も短い波になることはない
  • 第4波が第1波の価格帯に割り込むことはない

この3つのルールこそエリオット波動論で最も重要なルールとなりますのでぜひ覚えましょう!
なお、株式相場が進行するにつれてこの5つのパターンは決定的な形となっていく特徴があります。つまり、相場が上昇基調もしくは下落基調になればなるほど、5つの波のパターンの形成が顕著になるということです。

波のモード

波の動きには、「推進」と「修正」という2つのモードがあります。上図で説明すると、「推進」は大局的な方向(メジャートレンド)と一致する第1波、第3波、第5波で、「修正」はトレンドとは逆行してその流れを中断する第2波、第4波となります。これらが交互に来ることでギザギザの波が形成されていきます。

また、「推進」の役割を持つ5波を「推進波」、「修正」の役割を持つ3波を「修正波」と言い、具体的には下図のようになります。
ここが非常に理解しにくいところですが、推進波の中には推進モード、修正モードがともに存在します。推進波の中にも第2波や第4波のように修正波の役割を持つ波が存在するということです。

ここで、鏡の中の鏡をみるような話になりますが、推進波の第1波の中に下図の5波+3波の構成が入っているようなイメージを持って頂けると、上の話のイメージがつきやすいかと思います。

推進波と修正波

今回のまとめ

今回は波の基本構成および波の名称について記載しました。特に最後の話については、推進波の中に修正モードも含まれることを覚えていただきたいです。
また、例ではシンプルなものを扱っていましたが、実際は複合的な構成(波の上により大きな波の構成があるもの)になることに注意してください。

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shota_py
メーカー勤務のエンジニアです。 自分の趣味である、「電気回路」、「ガジェット」「株式投資」、「Python」に関する記事をつらつらと書いています